EDの治療の一環として行われるトレーニング方法のひとつに「ケーゲル体操」と呼ばれるものがあります。別名、骨盤底筋体操とも呼ばれています。1940年代にアメリカの産婦人科医であるアーノルド・ケーゲルが、女性の尿失禁のケアを目的に開発しました。しかし、当時彼の治療を受けていた女性陣から、尿失禁とは別の方面からの感想が上がり始めたのです。それは、このケーゲル体操を続けているうちに、性的にも大きな満足感を得られるようになったというものでした。その後、アーノルド・ケーゲル自身が「患者が骨盤底筋を強化して、自分で調整できる能力を身に着けることは、性反応の自然な向上にも有効であった」と報告しています。元来は、女性の尿失禁のケアのために開発された体操が、どういうわけか女性の性的満足感を高める方面でも効果を発揮したのですね。そしてこの体操は、男性においても、性的な方面でその効果を発揮するのです。

その名の通り、ケーゲル体操は、骨盤底筋を鍛える体操で、男性がこの体操によって骨盤底筋群を鍛えると、ペニス内の血行が良くなると言われています。ペニス内の血行が良くなると、ペニスの海綿体の血流が増加するので、勃起力が増すことになります。これが、ケーゲル体操によってEDが治療されるということの作用機序です。また、ケーゲル体操は、早漏の改善にも効果的と言われています。
男性の密かな悩みとして名高いEDと早漏の二大性的症状のどちらにも有効な体操なのです。

 

ケーゲル体操の具体的な方法

ケーゲル体操には、行う姿勢によって、いくつかのバリエーションがあります。

仰向けになって行うケーゲル体操
仰向けになったら、足を肩幅まで開き、膝を立ててください。その状態で、身体の力、とくにお腹の力を意識して抜きます。力を抜いたら、肛門をキュッと絞め付けます。その後、肛門を胃の方に吸い上げるような感じで、さらに締め付けていきましょう。締め付けた状態で、5つまでゆっくりと数を数えます。数える途中で力が抜けてしまった場合は、もう一度やり直してください。5つまで数え終わったら、力を抜きましょう。次に、肛門を速いテンポで締めたり緩めたりしましょう。これは、5回を1セットとして数えます。5カウントの体操と、速いテンポでの締め緩めを、それぞれ1日で5回(セット)ずつ行ってください。仰向けでの体操は、最もリラックスしやすいため、初心者向けです。

肘や膝をついた姿勢でのケーゲル体操
床に膝をついて、クッションを敷いた上に、肘を立ててください。そして、あごに手を乗せます。次に、肛門をゆっくりと締めて、5つまでゆっくりと数え上げましょう。5つ数えたら、力を抜いて、2回目以降を行います。新聞紙などを床に広げて行えば、ながら体操としても有効な体操です。慣れてくれば、新聞を読み終わるまで継続できるほどに、骨盤底筋群が鍛えられるでしょう。

机にもたれた姿勢のケーゲル体操
足を肩幅に開いた状態で、机のそばに立ちます。手も肩幅くらいに広げ、机につきます。その姿勢で、腕に体重を全て乗せ、背中をまっすぐに伸ばし、頭は上にあげて前を見てください。その状態で、肩とお腹の力を抜き、肛門を締めます。少々間抜けな体勢で、一人でいる時にしかできない体操ではありますが、この姿勢が、骨盤底筋群の動きを最も感じやすい状態です。

座った姿勢のケーゲル体操
床につけた足を、肩幅に開いてください。背中をまっすぐに伸ばし、頭を上げて前を見ます。肩の力は抜いて、お腹は動かないようにしながら、お腹に力を入れず、ゆっくりと肛門を締めます。座った姿勢であれば、バスや電車に乗っている時や、家でゆっくりとテレビを見ている時にも行えるので、お手軽な体操としておすすめです。

ケーゲル体操は、1日に5回くらい行ってください。慣れてくれば、セット回数を増やすことも良いですが、締め付ける時にカウントする数を増やしてみることもおすすめです。10カウントくらいまで行えるようになりましょう。2週間が経過する頃には、少しずつその効果を実感できるようになるはずです。