日本の厚生労働省が発表した最新の調査・統計では、「糖尿病が強く疑われる者」は、約1,000万人と言われています。この数は、平成9年以降、増加の一途をたどっているといわれています。また、「糖尿病の可能性を否定できない者」、いわゆる糖尿病予備軍も、約1,000万人と推計されています。
糖尿病は、一度発症すると、完全には治らない病気とされています。そのため、発症後は、治療薬などを使用しながら、糖尿病と上手に付き合っていく必要があります。しかし、実際のところ、「糖尿病だと強く疑われる者」のうち、約4分の1の方々が、治療を受けずに放置しているそうです。糖尿病を放置するとどうなるのでしょうか?

糖尿病と放置するということは、血糖値が高いままであり続けるということです。そうすると、高血糖によって、血管が傷つき、将来的に糖尿病の合併症を生じてしまうことになります。糖尿病性の合併症として大きく取り上げられるのは、失明や足の切断、腎不全です。これらは、糖尿病の三大合併症とも言われています。しかし、それ以外にも、重大な合併症があることをご存知でしょうか?
それが、EDです。正確には、糖尿病性ED(糖尿病性勃起障害)と呼ばれています。先ほど、糖尿病性の三大合併症のひとつに、足の切断を挙げました。これは、糖尿病による神経障害が原因で至る合併症です。糖尿病性のEDは、これと同じく、神経障害によって引き起こされる合併症です。


糖尿病による神経障害のひとつとして、自律神経失調症があります。自律神経失調症は、全身に症状を及ぼし、それは、泌尿器系や生殖器系も例外ではありません。そのため、自律神経失調症の影響として、射精障害や精子形成障害などと併せて、勃起障害が生じてしまうのです。また、ペニスや会陰に張り巡らされている神経自体にも障害が起き、神経線維から脳への伝達が悪くなり、男性の性的反応が引き起こされにくくなります。そしてEDにつながっていくのです。

糖尿病による血管へのダメージもまた、EDの原因となり得ます。高血糖によって、細小血管が傷ついてしまうと、ペニスへの血流も悪化します。勃起というものは、海綿体への血流によって生じるものですから、血管へのダメージによって、血流が低下してしまうと、EDとなってしまう確率が高くなってしまいます。

 

糖尿病性のEDには、どのようにして対応すれば良い?
一番重要なことは、そもそも、糖尿病性のEDを引き起こさないことです。糖尿病性のEDの原因として、神経障害と血管へのダメージが大きくなる傾向にあります。とくに、前者の神経障害については、勃起に関する神経が傷ついてしまうと、それを元の状態に戻すことはとても難しいと言われています。つまり、不可逆なEDとなってしまう可能性もあるのです。そのため、糖尿病性のEDの対策として重要なことは、予防となります。血糖コントロールを良好に維持することで、糖尿病性のEDに至らないような糖尿病治療を心がけていきましょう。

糖尿病性のEDとならないような糖尿病治療とはいったい?
まずは、きちんと定期受診を行うことが求められます。糖尿病は不治の病であり、一生涯付き合っていく必要が高い病気のため、長い闘病生活の中で、だんだんと受診がおろそかになることもあります。しかし、受診して、担当医に血糖値の測定を行ってもらい、それによって内服薬などを調整することは、糖尿病の治療において非常に重要な作業です。血糖コントロールの乱れによって、糖尿病性の合併症は引き起こされますから、そのコントロールが良好に保てるように、そして保てていることが確認できるように、受診を怠らないようにしましょう。

また、生活習慣の見直しも、糖尿病性EDを予防するためには重要です。飲酒や喫煙などは、糖尿病を悪化させる原因となりますので、糖尿病性のEDを予防するうえでも控えることが求められます。加えて、運動習慣を身に着けることは、糖尿病の改善において大きなメリットをもたらしますから、是非とも日々の生活に取り入れていきましょう。また、糖尿病治療の第一歩となる食生活についても、改めて見直しをし、より健康的な食生活を意識していきましょう。


糖尿病性のEDとなってしまった場合

糖尿病性のED自体に働きかけることも、有効な方法です。糖尿病自体は、完治しないとされている病でありますが、糖尿病性のEDについては、そうではありません。泌尿器科や専門の医師を受診し、適切なアドバイスを受け、バイアグラなどのEDの治療薬を内服すれば、糖尿病性のEDを改善出来る見込みは十分にあります。しかしながら、糖尿病の時と同じく、症状があっても受診する人の少ないことが大きな問題となります。受診しない理由は「恥ずかしい」「生活に支障がない」などがあげられます。しかし、勃起しないという状態は、少なからずその人の精神面に影響を与えるものです。

現在は、バイアグラ、レビトラ、シアリスと呼ばれる複数種類のEDの治療薬が、正規に処方されています。まずは一度身近なクリニックなどを受診し、EDの治療薬をお試しされてみてはいかがでしょうか?糖尿病性のEDが、、治療薬によって改善されるということは、糖尿病の治療にもつながる第一歩となるでしょう。諦めて放置せず、まずは受診に向けて第一歩を踏み出してみましょう。